「出会える」映画祭

concept

コロナは予想以上に長く深く人々のつながりにくさびを打ち込んでいます。
そこで、コロナの感染をこれ以上広げず、
私たちの映画祭が当初から大切にしてきた「出会える映画祭」を何とか実現しようとしたのが今回の形です。
一期一会のその日ならではの映画コミュニティの創設です。是非、メンバーになって下さい。

TDU・雫穿大学
国際映画祭とは

about

生きたいように生きる。人は苦しむために生まれてきたのではない。枠に当てはまるために生まれたわけでもない。ささやかな人生であったとしても、生きたいように生きられたと感じたい。映画には「生きたいように生きる望みを持たせる」力があると信じます。 私たちが言葉や、絵、文字などだけでは表現しきれない何かを映画は映像のことばで表すことができます。私たちの胸の中に棲んでいるそんな思いを表した動画を国内外から集め「つくる」映画を見て欲しい、古今東西の刺激的な動画を見たいし、一緒に見て欲しいという映画祭です。しかしコロナ禍の今、安全を確保し、出会える映画祭をできないものか、と考えたのが今回の形です。是非、1日限定のオンラインの出会える映画祭にお出で下さい。

上映作品
films

死刑台のメロディ / Sacco and Vanzetti
●8月27日13:00〜の回

1920年、マサチューセッツ州で現金輸送車が襲撃される強盗殺人事件が起こった。アメリカ警察は銃の不法所持で拘束したニコラ・サッコとバロトロメオ・ヴァンゼッティという2人のイタリア人を、イタリア移民の無政府主義者で徴兵忌避したことがあるということから差別し、犯人に仕立て上げてしまう。身に覚えのない2人だったが、次々と提示される証言や証拠は彼らが犯人であることを指し示していた。やがて裁判が開かれ2人には有罪の判決が下される……。

1920年代にアメリカで実際に起った、サッコ・ヴァンゼッティ事件を忠実に映画化した作品。当時の外国人排斥、人種差別、社会主義思想や無政府主義思想への思想弾圧を鋭く抉った社会派ドラマの秀作である。1971年度のカンヌ国際映画祭男優賞も受賞している。監督はジュリアーノ・モンタルド。音楽はエンニオ・モリコーネが担当し、テーマ曲をジョーン・バエズが歌っている。

監督:ジュリアーノ・モンタルド
■1971年/133分/イタリア・フランス/言語:イタリア語/字幕:日本語
■Language:Italian/Subtitles:Japanese


私は、東日本大震災の被災地(被災者)とどのように繋がっていきたいのか
 –被災地に感じ続けた罪悪感から解き明かす

●8月27日16:30〜の回

私たちは、東日本大震災後のゴールデンウィーク以降、被災地(宮城・福島)を訪れてきた。
炊き出し、がれきの撤去、ホタテ養殖の手伝い、そして、被災地の不登校・ひきこもり関係者との経験共有、相談活動などをし、動画記録してきた。
「復興が終わっていない」「社会から自分たちのことが忘れられてしまうことが怖い」という声を聞く。10年間撮りためた動画と、新たな取材を通して、被災地の人にとっての東日本大震災と、東京に住む私たちがどのように東日本大震災と向き合うのかを問う映像作品。

監督:石本恵美 / 制作:TDU・雫穿大学

■2022年(新編集版)/約90分/日本/言語:日本語
■Language:Japanese

「現代をさまざまな問題から捉える」特別作品部門
●8月27日19:00〜の回
「戦争」から考える
水 / Анатолій Качан. Анімовані вірші

制作:ストークファミリースクール
■ウクライナ/8分/言語:ロシア語/字幕:日本語
■Language:Russian/Subtitles:Japanese

ストークファミリースクールの学びの特徴は、科目に分断しない学びにある。今回ご覧いただくのは「水」をテーマに学んだ時に制作された映像だ。水について科学的に調べ、水がテーマの物語や詩に触れ、絵を描き、水がモチーフの音楽やダンスを体験する。そして、そんな総合的な学びの集大成として制作されたのが、総合的な表現としてのこのアニメーションである。


ストークファミリースクール

ウクライナのストークファミリースクールは、1990年に設立されたウクライナで最も古いフリースクールだ。画一的で一方的な教育しかなかった当時、子ども中心の教育を自分たちの手で作り出そうとしたフリースクール運動の草分け的存在である。現在は、予断を許さぬ戦火の中にあるウクライナで国内避難者への懸命な支援を行っている。

無題(平和を願う)

制作:ロシアのあるスクールの子どもたち
■2022年 / ロシア / 数十秒 / カラー/ アニメーション/言語:なし
■Language:---

これはロシアのあるスクールの子どもたちの作品だ。ウクライナへの軍事侵攻が始まってしばらく、ロシアでは様々な反戦活動が市民から起きた。ロシア人の多くは友人や親戚がなんらかの形でウクライナにいるとされ、この学校にも親がウクライナ人の子もいるし、ウクライナ人もいる。子どもや教師、卒業生は戦争反対のデモに積極的に参加しており、逮捕された人もいる。この作品は戦争反対の思いを短く表現している。現在は戦争について語ることも、こうした作品をつくることも非常に難しくなっている。

ウクライナのフリースクール 〈世界の教育最前線シリーズ 第16巻〉

戦争が始まる前、ウクライナでは急速にフリースクールが増えていた。ほんの数年で400とも言われるフリースクールが生まれていたとされる。なぜ増えていたのか、社会とのかかわりを明らかにしながら、そこでどのような学びが行われているのかを明確に描き出す。東欧のフリースクールを知る貴重な映像資料であり、戦争前のウクライナも感じることができる映像である。

制作:創造集団440Hz、TDU・雫穿大学
■2021年/日本/30分/言語:日本語
■Language:Japanese

「労働」から考える【土屋トカチ監督作品特別上映】
プラットフォームビジネス「自由な働き方」の罠

GAFAはじめグローバル企業が提供する「プラットフォームビジネス」は、コロナ禍でますます成長。私たちの消費スタイルや働き方も変えた。「ウーバーイーツ」に代表されるフードデリバリー・サービスでは、配達員はスマホひとつで「好きな時間に、自由に働ける」が、ウーバーと「アプリ使用」契約を交わし「個人事業主」として配達を請け負うため、事故に遭っても会社負担の労災保険はない。配達依頼や報酬の基準などを配達員は知ることも、会社と協議することもできない。「自由な働き方」がはらむ問題点を探る。

制作:NPO法人 アジア太平洋資料センター(PARC)
監督:土屋トカチ
■2022年/日本/35分/言語:日本語
■Language:Japanese


土屋トカチ

1971年京都府生まれ。会社ぐるみの労働組合脱退工作に遭ったトラック運転手を追った「フツーの仕事がしたい」(08年)で監督デビュー。同作は英国・第17回レインダンス映画祭、UAE・第6回ドバイ国際映画祭において、ベストドキュメンタリー賞を受賞。本映画祭の特別審査員でもある。

「病」から考える
おにい

筋肉が減少・壊死していく指定難病「筋ジストロフィー」。日本の患者数は約25,400人。その病を抱える兄に妹は問う「悲観することはないの?絶望はないの?自殺を考えたことは?」。兄は体の苦痛を訴えることはあっても、人生に悲観したような発言は一切無い。「病気を言い訳にしない」「生きているだけで丸儲け」と明るく話す。しかし、障がい者と健常者の狭間にいる「中途半端さ」、見た目が「ふつう」というプレッシャーも抱えていた。
妹が兄のまっすぐな生き方を描いた、命のドキュメンタリーが、8年の時を経て、ついに完結。

監督:Aiko Komeda
■2014年オリジナル版 ・2022年完結版/日本/20分/言語:日本語
■Language:Japanese


Aiko Komeda

日本テレビや読売テレビなどでオフライン・オンライン編集を担当。映像制作のほかグラフィックデザイン、動画配信プラットフォームの立ち上げなどジャンル問わず活動。自身の家庭が機能不全家族だった経験を通し、虐待サバイバーや居場所がない子どもの支援にも取り組んでいる。
2014年オリジナル版の「おにい」は第8回の本映画祭公募作品の一つとして上映した。

上映スケジュール

schedule

プログラム

8 27 第一部
13:00〜の回
死刑台のメロディ-

ジュリアーノ・モンタルド監督からの特別ビデオメッセージの上映
上映後オンライントーク

第二部
16:30~の回
私は、東日本大震災の被災地(被災者)とどのように繋がっていきたいのか
–被災地に感じ続けた罪悪感から解き明かす

上映後オンライントーク

第三部 
19:00~の回

 〈現代をさまざまな問題から捉える−特別作品部門〉

水/Анатолій Качан. Анімовані вірші 無題(平和を願う) ウクライナのフリースクール プラットフォームビジネス「自由な働き方」の罠 おにい

土屋トカチ監督をお迎えしてのオンライントーク

*各回の作品は上映順ではありません。上映順をお知りになりたい方は事務局までご確認ください。

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開催概要

名称第14回 TDU・雫穿大学国際映画祭「生きたいように生きる」
日程2022年8月27日(土)
  第一部 13:00〜の回
  第二部 16:30〜の回
  第三部 19:00〜の回
開催形式オンライン配信
参加費各回1コマ:1100円
2コマセット割:1900円
3コマセット割:2500円
主催NPO法人 TDU・雫穿大学 映画祭実行委員会
E-MAIL:info@tdu.academy
TEL:03-6205-6079

チケット購入方法

チケットのご購入はPeatixを通してお申し込みいただけます。

第一部、二部、三部をそれぞれ1コマ単体でご購入いただける1コマチケットだけでなく、2コマ観たい、3コマ全て観たいという方のためのお得なセット割引チケットもご用意いたしました。

下記ボタンよりチケットPeatixサイトにアクセスし、ご参加希望のコマのチケット申し込みボタンを押して、お手続き下さい。お申し込みが完了しましたら、お申し込み完了メールが届きます。上映前日にオンライン配信のためのURLをお送りいたします。